日銀の独立 インフラの民営化が馬鹿げている理由

お金

最近は政府の借金がヤバイだとか老人の医療費が国を食いつぶすだとか騒いでいる。 一方、景気を良くして借金を返せばいいとか金利に注意しろだとか色々難しい話を聞く。
私は、国の借金や金融政策について難しいことを考えなくても、 答えは出ていると思う。
『通貨』とはなにか…を考えれば答えは明確であると思う。

紙とインフラ

今の若者の間では貯金が流行りらしい。 また、若者と年寄りの賃金や年金などの差が問題になっている。 国際社会では、通貨安競争だとか金融政策だとかデフレだとかハイパーインフレだとか、 ともかくお金のことばかりが話題になり、国民も政治にお金のことばかり期待している。
今の世の中、お金ありきになっている。
創造主とやらがはじめに放った言葉「光りあれ」ならぬ「お金あれ」だ。
昔の論書や物語の一文として「お金なんてただの紙だ」という話がたくさんあった。
私は後者の論こそが真実であり、リアル志向であると思う。


アベノミクスを引用して話してみよう。
ニュースバラエティではアベノミクスの影響(通貨安の影響)で 物価が上がって庶民の暮らしが大変だと騒いでいる。 仮にアベノミクスの効果で給料が上がるとしても2年はかかり、その間 庶民が苦しむのが許せないという事らしい。 (彼らはずっと円高傾向で無職が増えジリ貧になっていくことが望みなのだろうか?)
また、これ以上政府の借金を増やしちゃいけない。 だから増税しろという。(貧乏人の暮らしはどうなってもいいんですかね?) 借金が増える公共事業などもっての外だという。
対してアベノミクスの真髄は『金を刷って公共事業をやる』ということだ。


もしマスコミ路線を突っ走った場合どうなるか。 仮に増税して公共事業を辞めて政府の借金が減り続けたとしても(本当は借金は減らないのだが) 、その果てにできるのは道路もボロボロで水も出ず電気も通らない無借金国家である。
この誠に無価値な国家は生産力がゼロに近いため、早々に国力が無いことを 投資家に見破られ、通貨の価値は底に落ちるだろう(ハイパーインフレ)。 そうなってから頑張って働こうと思っても、マトモに工場も動かせないのだから 頑張り用もなく、国際社会復活は不可能になる。
逆に(製造力が全くないのになぜか)通貨高になっても、 国費を削り軍事力と製造力を削った国家は、いとも簡単に侵略されるだろう。

逆に公共事業をバンバンやったらどうだろうか。 仮に政府の借金が天文学的に膨らんで、投資家が「もうダメだこの国」と国債を売りまくって ハイパーインフレになったとしても、十分な生産インフラが有り、 政府のバラマキによって仕事に従事している人が多いので労働モラルやスキルも確保されている。 そんな状況で超通貨安になれば恐ろしいほどに仕事が舞い込んでくる。 (通貨安からくる組立輸出の増加)  公共事業でインフラさえ整えておけば、ハイパーインフレになったとしても 復活どころか逆転可能なのである。
逆にインフラが整った状態で通貨高になったらどうなるだろうか。 通貨高の間は『働かない(労働規制)/貿易赤字を垂れ流す/生産力に直接結びつかないもの にお金を掛ける(文化,環境保護,研究)』といった、言わばわざとロスを作り、 しかるべき通貨価値になった時に労働時間を元に戻せば良い。 インフラが整っていれば通貨安だろうが通貨高だろうがリカバリー出来、 防衛力も保てる。

インフラは国や人間が貧乏でも金持ちでも、ちゃんと働いてくれるのだ。
通貨は価値の高い時だけ働いてくれる…かも知れない。 かも知れないというのは、 通貨は紙や数字なのだから、奪い取られたりデータを飛ばされたりしたら終わりだということだ。 そして価値が下がれば通貨は仕事をしてくれなくなるのだ。

インフラ民営化の愚

近年は『公共事業は悪いものだ』という 論調が邁進してきた。 『インフラに金を掛けるぐらいなら税金を減らせ、国の借金を減らせ』
ここでもカネかね金である。
お金信奉者の意見に従って、公共事業を減らしインフラの自由化,民営化をすすめたことによりどうなったか?
競争が激化し料金が全体的に安くなった(年金所得者や生活保護などの非労働者 が有利になった)一方、 競争に巻き込まれた労働者は激務薄給となり、自由化により外資の参入を招き 税金が海外に流れた。 もっとも問題なのが、企業という利益追求団体が インフラサービスを行うことにより、目先ばかりの利益になる 工事しかしなくなり、長期的な利便性や国民経済全体に効果があるような 大掛かりなインフラが敷けなくなったことである。
民営化により一時的な数字上の利益(決算)はよくなったものの、 長い将来の国全体に与える経済と利便性は失われたことになる。

インフラ民営化は国を滅ぼす

労働者の皆さんは、毎日の満員電車通勤に苦しんでいることだろう。
これを国営(国鉄)と民間企業(私鉄)にわけて考えてみよう。
国鉄の場合、満員電車があまりにも酷いとなった時に『お金を掛けて改善するか、 お金が勿体ないから我慢するか』を選挙を通じ国民が選ぶことができる。 私鉄の場合は鉄道会社の幹部が『どちらのほうが利益が出るか』を判断し決める。 つまり国鉄の場合は改善の可能性があるが、私鉄の場合は改善される見込みはない。
近年では電車内での痴漢や痴漢冤罪、スリなどが絶えない。 とくに痴漢冤罪などは人生を潰してしまうほどの影響がある。 これらをお金をかけて解決するか、法律的に解決するか(乗車規制?)は 国営ならば国民が決めることができる。私鉄ならば現憲法に 当たらない限り放置される。 ちなみに私鉄というのは民間会社で利益追求団体なわけであるから、 利益追求のために満員電車を運転し続けていることになる。 その満員電車で痴漢,痴漢冤罪,スリが起こったならば 本来なら『犯罪幇助』に当たるはずだ。 すなわち「痴漢やスリが起きやすい環境を作り営業していた」 ということで、毎日毎日起きるスリに対して、警察は毎日 JR社長を『犯罪幇助』で逮捕するべきだ。 これがまったく無視されているところが半官半民の悪い部分だろう。
近代日本は、欧米化にしろ自由主義にしろ民営化にしろ、 悪い部分ばかり吸収するのだから困ったものだ。

通貨発行権は国民にあり

通貨は道具である。 社会生活の利便性の為(という名目で) 人間が輪転機を回し製造しているのだから、人間のための道具なのである。
車や掃除機やペットボトルは 人間が使うために人間が製造した道具である。
だから通貨は人間のために製造され使われるべきである。超簡単な 理屈、超簡単な結論である。
もうすこし分かりやすく書こう。
人間が「通貨が足りない。必要だ」と思ったなら、必要なだけ製造するのが正常だ。 人間が「生活を便利にするために工事をする。発注するために通貨を使いたい」 と思ったらどんどん使うべきなのである(TV屋はこれをバラマキと呼び批判する)。 こういうことを言うと、会社の同僚もTV屋も『通貨の価値が不安定になる。 国の借金で大変になる』と騒ぎ出す。 TV屋は「通貨の為に人間が我慢してひもじい思いをすべきだ」と言っているも同然だ。

簡潔に言う。
テレビや現庶民の主張は『通貨のほうが人間より大事』なのだ。 対して小生の主張は『通貨より人間のほうが偉い』のだ。

通貨は人間の創りだした人間のための道具である。
日本円は日本人の奴隷である
日本人が『金を剃れ』と言ったなら、 ハイパーインフレになろうが紙くずになろうが刷らなければならない。 日銀という得体のしれない団体が判断して良いことではないのだ。なぜなら日銀より 国民のほうが偉いからだ。
そして日本円は須く日本人のものだ。外国人が持っていようが海外の口座にあろうが、 一円一銭まで日本人のものだ。 外国人が「借金を返せ! 利子を払え!」と 圧力をかけてきたら、日本は即日「外国人の持っている日本円は無効にする」 と宣言して良いのである。もちろんその結果、諸外国の関係や通貨の 価値はめちゃくちゃになるだろう。しかし日本円をどうするかは日本人の無限の自由なのだ。

もし日本人全体、あるいは世界全体が『通貨は道具だ。人間のために使うべき道具なんだ』という認知になてば、 馬鹿げたパテントの邪魔し合いや、利純性の代わりに将来性や利便性を犠牲にされたインフラは なくなり、生活の向上や利便性、効率性、または娯楽性が重視されるようになるだろう。
結果として人間は時間,健康,精神的充実……つまりは多くの人が本当は望んでいるものを 手に入れることができるだろう。
全ては通貨(に魅入られた人々)という悪魔に人間が打ち勝てるかどうかにかかっている。



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